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オンライン書店ビーケーワン:三四郎はそれから門を出た

私が三浦しをんを読みはじめてからまだ1年足らず。でも確実に「大好き」な作家のランキング上位にどんどんのぼってきています。小説よりエッセイの方が面白い(ものが多い)のはちょっと引っ掛かるんですが、趣味を全面に押し出してくるあたりが好き。

その三浦しをんの「趣味(とは気軽に言ってはならないらしいけど、世間一般では普通こうくくるでしょう)」である「読書」と「本」についてのエッセイ集。
読み終えてつくづく思うのは、
(こういうブログを運営していながら言うのも何なんですが)

書評って基本的に自慰行為だよなあ

ということ。あら、お下品で失礼。

そもそも人とは基本的に、自分の興味のあるモノにしか反応しない生き物なわけです。こういう本を読みました、そこで私はこう思いました、と言ったところで、
・著者に興味があるか
・読んだ本自体に興味があるか
このどちらかに該当しなければ、いかに素晴らしい書評だろうがそもそも読む気がしないですよね。わー、我ながら身も蓋もないわ。

私は三浦しをんが好きですが、彼女の読む本全てに興味があるのかと問われればそれはもう絶対的に否。
この本も(後半のエッセイは別にして)読んだ事のある本、読みたいなと気になっていた本、ぱらっと見てタイトルに惹かれた本、そのどれかに該当する書評しか真面目に読みませんでしたもの(笑)

芸術的と評される書評もこれまでいくつも読んできましたが、やっぱり印象に残るのは「評し方がどうだったか」じゃないんですよね。メインの材料が好きでなければどれほど素晴らしく凝った味付けでも食べたくないのと一緒。

ブックレビューのまね事をやっていながらずっと感じていたことがあります。それは「私の感想なんて書いたところでどうだっていうの」という事。

でもこの本を読んでちょっと吹っ切れました。

好きなものを好きに語る、それでいいじゃん!
読んだ人に何も残せなくても別にいいじゃん!
たまに「へえ」とか「そうそう」とか言ってくれる人がいたらそれでいいじゃん!

というわけで私はこれからも好き勝手に好きなものについて好きに語ります。
その決意を新たにさせてくれたこの本に、感謝!

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オンライン書店ビーケーワン:一瞬の風になれ 1 オンライン書店ビーケーワン:一瞬の風になれ 2 オンライン書店ビーケーワン:一瞬の風になれ 3

獲るだろうと思ってましたけど、本当に獲りましたね。2007年本屋大賞受賞作です。
ノミネート作品の中で個人的な好みでいえば「図書館戦争」がぶっちぎり1位なんですが、あそこまで飛んでる設定だと好みが分かれるかな、と。本屋大賞は一般ウケが重要ですしね。まあ、ほぼ納得の順位です。
2位の森尾登見彦「夜は短し歩けよ乙女」はあまり文体が好みでなくて手を出せなかった作品なのでちょっと悔しい気もしますが。そして劇団ひとりよりも三崎亜紀よりも下にいる宮部御大にそれでいいのかとつっこみたい気もしますが。

さてそういうわけで、大賞記念レビュー。(このために書かずに待っていた私)

サッカーの天才を兄に持ちながら、自分には才能がないことを日々噛み締めていたサッカー少年、新二。幼なじみで親友の連の影響で陸上に出会い、魅かれ、そのおもしろさと才能に目覚めていく、というストーリー。
森絵都の「DIVE!」が好きな方ならきっとツボにはまるお話です。
さわやかでひたむきで真っすぐで熱い。青春!

新二の一人称で物語はすすみます。この新二くんが高校生のわりにはちょっと幼いというか素直というか、なんだかとても純真で素直なよい子なので、基本腹黒な私はちょっと戸惑いましたが(笑)読みすすめていくと、この話は一人称でなければダメだったなあと納得しました。

主人公の新二、その親友・連、そして天才の兄・健一という才能にあふれたキャラクターたちの周りの「普通の人たち」の描写がとてもよかったです。
走るのが好きなのに、チームを勝たせるためにあえて裏方にまわる根岸、故障で選手生命を断たれても陸上にかかわり続ける顧問のみっちゃん、早くは走れなくてもひたむきに努力する谷口。うまくいかない人たちをきっちり温かく描いているから、ただの夢物語ではない、響くお話になっているのだと思います。

走るのなんて大嫌いな私ですが、またしても「走るっていいかも」と思ってしまいました。思うだけですが。一瞬だけですが。

ただ、健ちゃんをもうちょっとフォローしてあげてほしかったなあ…(笑)


オンライン書店ビーケーワン:県庁の星

映画化されたアレです。かなり長い間読みたい読みたいと思っていて、いまさらながら図書館で借り出してきました。

ベタすぎるほどベタで、意外な展開は何一つなくて、ご都合主義が見え隠れして、でも読みおわった後にんまり笑って満足できました。こういう小説は好きです。

いまさらあらすじ紹介もないでしょうがちょっとだけ。

Y県庁の役人さん(若手エリート)が民間との人事交流というお題目の特別研修で田舎のスーパーに派遣され、現場のパートのおばちゃん(映画では柴咲コウだったけど)と衝突しながらちょっと成長するというお話。
まあ何ていうか、若くて美人でバリバリのパートさんなんてそこらの田舎のスーパーにいるかよ!と(笑)そのへんは小説のほうがちょっと現実的かな。

現場主義のスーパーもいろいろ問題を抱えていて、規律もなければ売り上げも悪い。なんとかしないとリストラの嵐、というわけで開眼した主人公がいろいろ頑張っちゃうわけですが。

その解決策だってそんなに目新しい奇抜なものじゃないのです。だって、ポップつけるとか消費者の目線で陳列するとか、ごく普通のことでしょ?賞味期限切れの食材つかわないなんて基本以下ですよ。 
ただ考えてみると、その基本以下ができない企業が現実社会に実在していたわけで。そう考えると決して現実離れしたお話ではなかったのかもしれません。そんなにうまくいくかどうかというのは別にして。

ただ、役所勤めの人々の描き方があまりにもステレオタイプだったのはどうかと思いました。ベタは嫌いじゃないけど、そのへんの葛藤も描いてくれたらもっと味わいがあったと思うんだけどな。ちょっと薄い。惜しい。

映画も見てみようかなという気分になりました。


オンライン書店ビーケーワン:図書館危機

もう、好きで好きで好きで仕方なくて、言いたい事がいっぱいありすぎてまとまらなくて(笑)
フライングゲットしてからこの二週間で5回読み返して、ようやく感想を書ける状態になりました。
奏音読本大プッシュの図書館シリーズの第三弾、期待通りの作品でした。万歳。
短編集ではありますが、内容は濃い目でした。アクションも増量。乙女成分も順調に増量。
手塚・折口にズームが寄っているあたりも嬉しかったです。

前巻「内乱」のラストで王子様の正体を知ってしまった郁の迷走っぷりに笑い、それをまた不器用に受け止める堂上に笑い、子供の扱いに戸惑う手塚に笑い、容赦のない柴崎に笑い、玄田の反則逆襲に笑い、
その反動かラストシーンでは涙が浮かんでしまいました。
カミツレの花。
一番守りたかったはずのものを守れなかった彼が、確かにその手で守ってきたものの象徴の花。
いいシーンだと思いました。
(でもあのサブタイトルはないだろう、とちょっと思いました…)


個人的に共感できたのは、郁が母とようやく向き合い始めた「里帰り、勃発」。デフォルメされてはいますが、ああいう母子関係って結構どこにでも転がってますよね。
私は自分の母のことが好きですし仲も良いですが、やはりどこか「理想の娘」を求められている部分があって、それが重かったり反発したりしていて。違う道を行く事と、否定し拒絶することは違う、ということを分かってもらうのは難しいな、と思うことがよくあります。
だからこそ、このエピソードは沁みました。
でも職場に乗り込むのは問題外だろう。
それで訓練中止になったり親子の話し合いに付いて行っちゃったり、堂上はちょっと甘やかし過ぎだと思います。(笑)


ところで私は日頃ミステリを読みすぎているせいか、野々宮はいつか裏切るに違いないと見当違いのところでずっとはらはらしてましたが、そんな馬鹿は私だけですか?


図書館シリーズ、残すところあと1冊だそうです。淋しくてならない。
早く最終巻を読みたいような、まだまだ終わってほしくないような。
そういう大好きなシリーズに出会えた事を、やっぱり幸せに思います。



クジラの彼

有川浩大好きです。本当にもう。なんでここまでときめかせてくれるのか!
電車の中で読みながら、ニヤけた顔がどうしても戻らずに苦労しました。

そんなわけで、私が昨年発掘した作家さんの中で一番愛する有川浩の新刊、短編集です。
「海の底」「空の中」を読んだ人は必読。読んでない人はこっちを読む前にぜひその2冊を読んで下さい。ていうかもう全部読んで下さい。
ちなみに私は発売日直前に二作ともきっちり読み返しました(笑)

※各作品の感想を述べておりますが、テンションがあがりすぎて何一つ解説になってませんのでご注意を。

「クジラの彼」
表題作。「海の底」のスピンアウト物、メインは冬原くんです。
「Sweet blue age」に収録されているので既にかなりのテンションでレビュー済みですが、何度読んでもやばいです。ときめきます。心臓が痛いです。
クジラ乗りさんー!(絶叫)
潜水艦乗りの恋人の辛さって想像を絶するんだろうなぁと思います。で、でもこの人なら待っちゃうかも私…!(妄想と呼んでくださって結構です)

「ロールアウト」
今度は空自。飛行機作りのお話です。ネタはトイレです。トイレにはじまりトイレに終わる。そのこだわりがものすごいです。
男女の認識の違いとか感覚の違いを、有川浩は本当に上手に作品として仕立てるなぁと思う。
ロールアウト後の二人が気になります。

「国防レンアイ」
そして陸自。女鬼軍曹の三池が大変チャーミングです。怖いけど。
WACの皆さんはたくましいんだなぁ。
惚れた方が弱いというのはもう、太古の昔からの決まり事ということで。伸下どれだけいい奴なんだ!
三池の同僚、萩原さんがものすごくいい味出してます。ちょっと柴崎っぽい?

「有能な彼女」
これも「海の底」のスピンアウトもの。メインは夏木と、もちろん望です。
成長した望のたくましさと来たら、「海の底」再読直後だとさらに感動が増しますね。夏木のヘタレっぷりもかわいくてかわいくて。
二人の喧嘩は犬も食わない部類なので、読んでいていちいち顔がにやけます。いやもう。
自分が望にかなり近い性格をしているので(有能でも美人でもないですが、理屈っぽくて言葉尻とらえるのが得意(酷))沁みるものがありました…

「脱柵エレジー」
やっぱり「脱柵」は一発変換できませんでした。
今度は若手自衛官の若気の至りの恋のお話。男女の温度差とか、自衛官と「外」の感覚差とか、がやっぱりこの作品でもすごく上手に描かれています。
ただ私には、彼女の気持ちも分かるんだよなぁ。会えないからこそ「会いたい」って我儘言いたくなるっていう。で、本当に会いに来られたらちょっと困るっていう(笑)申し訳ないですけど、女ってそんなもんですよ。

「ファイターパイロットの君」
「空の中」のスピンアウトです。高巳と光稀のその後。
もう、ベタベタ甘甘。光稀さん可愛過ぎるよ!!
彼女は正しいツンデレです。(笑)
個人的に高巳はかなり好みなので、「その後」が読めたことがとても嬉しかったです。これもまた何度読んでも顔がにやける。


有川浩は「言葉」にとてもこだわる人で、それが各作品の随所に出ています。
聡子の「クジラ」とか「我慢したい」もそうだし、望の怒りポイントも言葉へのこだわりですね。
「レインツリーの国」では伸が上手に言葉を選べる人だったし、「空の中」なんて高巳が上手に言葉を扱える人でなければ日本は終わってました(笑)
口からぽろりと出る言葉は無意識であればあるほどその人の性格が出るものだと私も日頃から思っていますので、とても共感を覚えます。同時に、もっと上手に言葉を扱えるようになりたいなぁ、とも思います。有川作品を読んでいるときはとくに。


ちなみに今月、サイン会があります。行きます。うふふふふ。
さらに図書館シリーズの最新刊も出ます。うふふふふふふふ。
今年も有川浩漬けの一年になりそうです。







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