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素直に、本当に素直に、「ああ、いい話だなあ」と思える本でした。

売れているのは知っていたけれど、「どうせタレントの書いた本でしょ」と馬鹿にしていた私。読了した今、そんな自分の先入観を踏みつぶしてやりたいです。ばかばかばか! というか、何故か小説だと思い込んでいたんですが、洋七の「がばい(すごい)」お祖母ちゃんをメインに据えたエッセイでした。


おばあちゃんがとにかく本当に魅力的で、文章なんて全然上手じゃないのにがんがん引き込まれていってしまいます。
戦後で、お金もなくて、その日食べるご飯も満足になくて、そんな状況でつねに「明るく貧乏」なばあちゃん。「お腹がすいた」と洋七少年が訴えれば「気のせいや」と流すばあちゃん。「剣道がやりたい」と言ったら「お金がかかるからあかん。走っとけ!」と言うばあちゃん。しかも「靴履いて走ったら傷むから裸足で走れ!」と言うばあちゃん。


ひとつひとつのエピソードがあたたかくておかしくて、気づいたら涙が出ていました。電車の中で読んだら危険です。
基本的にココロの汚れた私ですが(笑)ばあちゃんの言葉はなんだか素直に胸に沁みてくる気がしました。経験に裏打ちされた、筋の通った、血の通った言葉だからかな。
「本当のやさしさとは、人に気づかれないようにやること」
つくりものの言葉だったら「何をそんなキレイ事」って切り捨てたくなるような言葉なのに、やけに納得してしまった自分にびっくりでした。

ものの20分でさらりと読めてしまう本ですが、読んで損はしないと思います。これだけ売れている本を今さら薦めるのもなんですが、未読の方にはぜひ読んでいただきたいです。


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三国志 1

えー、文庫にしてまだ2巻までしか読めておりません。よってまだ私の中では三国にきっちり分かれておりません(笑)お兄ちゃん(孫策)活躍中で孫権はものすごく影が薄いし、諸葛亮などいまだ影も形もございません。

でも、でも、やっぱり面白いよ三国志!
面白過ぎて、全巻読み終わるまで感想書くの待てないよ!

今まで実は漫画も小説も未読だったため、私の三国志知識といえばコーエー一辺倒。三国無双のみ。(笑)そのため、武将の名前は知っていてもいまいち時代の流れとして把握できてなかったんですよね。

やっぱり小説として読むと時代のうねりが感じられてめちゃめちゃおもしろいです。名前だけは知ってるので、「関羽でた-!」「周喩きた-!」「太史慈だ-!」とまあ、主要武将が一目瞭然でわかるのがまた楽しい。ちなみにもちろん、顔は全部コーエーのキャラで想像しておりますよ。年齢ちょっとおかしいけど気にしませんよ。
行間でばっさばっさ人が死んでるんですが、あまりにも軽すぎて全く血なまぐさくないのがすごいです。そのへんの感覚もゲームっぽい。緊迫した場面で「あっ。しまったっ」とか大将が叫ぶのも間抜けでよいです。ひとりひとりの死を悼む話じゃないからね。
あ、でも、悪来・典韋の死に様はけっこう衝撃でした。ショックだったー。

2巻まで読んでつくづく思うのは、

呂布は馬鹿だなあ

ということです(笑)

腕っぷしだけ強いお馬鹿さんなので、貂蝉ちゃんにも簡単に騙されちゃってね。いっその事愛しいくらい馬鹿ですよね。

この後はいよいよ曹操が羽振りをきかせだし、脇役に回りがちな劉備もおおいに活躍するはず。劉備は出来すぎに描かれているのでいまいち好きになれないのですが、この先を読むのがますます楽しみです。


オンライン書店ビーケーワン:鴨川ホルモー

第三回ボイルドエッグス新人賞受賞作で、本屋大賞ノミネート作品。
書店に並び始めたころからずっと気になっていて、読みたい読みたいと思っていたのだけれどなかなか手を出せずにおりましたが、ようやく図書館で順番が回ってきました。

わくわくして読み始めたんですが、…うーん、期待しすぎたかしら。
正直なところ、いまいちだなぁという印象でした。

京大サークル「青竜会」を舞台とした青春小説。魑魅魍魎が跋扈する京都の町、一風変わった戦争ゲーム「ホルモー」、青臭さ満開の淡い恋心下心、と、おいしい材料は揃っていると思うのですがどうも乗り切れませんでした。
表紙折り返しとか「はじめに」の文章はリズムがよくて、この調子で行ってくれれば多少内容薄くても楽しめるかなぁと思わせてくれたんですが…

前フリ(説明)が長い。微妙に文章がぎこちない。展開が遅い。キャラクターの魅力が薄い。高村のチョンマゲにはちょっと冷めてしまいました。
なにより、ゲームそのものの描写が少なくて入り込めなかったのが一番かな。
せっかく面白そうなゲームなんだから、もうちょっと書き込んでくれれば白熱した戦いに興奮できたかもしれないのに、惜しい。

新人さんのデビュー作なので、よくまとめたという見方も出来るかとは思うんですが…うーむ。タイトルと設定のインパクトに中身がついていけなかったというか。次作を読むかと問われれば、微妙です。

そうそう、ボイルドエッグス新人賞といえば第一回受賞作の「本格推理委員会」がけっこう好きだったんですけど、あの人はもう書いてくれないんでしょうかね?


オンライン書店ビーケーワン:最愛

18年ぶりに再会した姉が選んだ夫は、 かつて人を殺めた男だった

真保裕一の恋愛長編です。ちなみに私、真保節で恋愛はいまいち好みじゃないので辛口かもしれません。ご注意ください。

ゆがんだ、それ故に純粋な愛がテーマみたいです。でもどうも、真保さんの言う「愛」は私の思うものとは違うのです。

両親と死別した後、18年の間生き別れになっていた姉と弟。そんなとき、悟郎のもとに来た知らせ、それは姉が瀕死の重傷を負ったというもの。そして悟郎は、姉が事件の前日に婚姻届を提出したことを知る。その相手は前科持ち、自分の妻を殺した男だった…

衝撃のオープニングです。掴みはばっちりです。さすが真保さんです。

なんですけどね。

真面目で優しいのかただの優柔不断なのかよくわからない主人公・悟郎といい、その悟郎が口を極めて褒め、憧れる「真っ直ぐ」な姉といい、その夫といい…
とにかく主人公サイドが誰一人気に入らない(笑)
誰よりも姉。そんなにいい女か? そういう愛は一途というのか?
価値観の相違かもしれませんが、悟郎が感動する「姉の愛の遍歴」、ひとつたりとも共感できませんでした。

ラストも微妙に読めてしまったしなぁ…
真保さんは一番最後のどんでん返しが見事に決まるところが好きなので、この点は本当に残念。
「発火点」「ボーダーライン」あたりから罪を犯す側の心理にスポットをあてた作品が増えてますが、そういうヒューマンドラマ風の味付けは真保作品に限ってはちょっと邪魔だなと感じてしまうことが多いです。
小役人シリーズが読みたいなぁ…




オンライン書店ビーケーワン:ボトルネック

大好きな作家、米澤穂信の、青春小説。
青春って楽しいだけものじゃないんだよなそういえば、って思います。読み終わった後、痛くて苦くて、落ち着かないったら。
なので、発売日ゲットでその日のうちに読み終わっていながら、なかなかレビューを書くことができませんでした。
3度読み返して、やっとある程度消化できたかな。

分類するならパラレルワールドもの。気づけば「自分が生まれなかった世界」にいた主人公。世界はそれほど大きく変わっているわけじゃないけれど、「自分」のかわりに、いないはずの人が生きている、それが原因で生まれているいくつもの「小さな違い」。

米澤作品らしく、今回も主人公はとても受け身。でも、「普通」になろうとした小鳩や、「省エネ」をめざす折木とは、まわりとの関わり方が根本的に違います。
「何でもない人」として過ごすことを覚えてしまった主人公。淡々と物事を受け入れてしまうあたりは紺屋に似ていなくもないけれど、世界との距離の取り方がやっぱり紺屋のほうがオトナなんだなぁ。
(無気力受け身の性格ってこんなに種類があったんだ、ってはじめて気づきました(笑))

ラストまでとにかく読ませる作品です。
パラレルワールドにとばされたあとの主人公の行動に全然無理がなくてすごいと思いました。少しずつ、こわごわ、「傷」に手を伸ばしてしまうあたり。SFなのに(だからこそ?)リアリティーがあって、作者の巧さを感じました。

痛い話ではありますが、ヒロイン(?)の明るい性格に救われて、そんなに重い雰囲気にはなっていないです。じわじわと怖くなってきますけど。
最後の一文が痛くて怖くて、効いてます。


自分がいない世界との違い。そんなもん私は絶対知りたくないな。



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