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オンライン書店ビーケーワン:紙魚家崩壊

大好きな北村薫の新刊。
なのに、読後残ったのは「釈然としない」が一番近い気持ちでした。

なんだかなぁ。北村薫の「書きたいもの」と、私が「北村薫に書いてほしいもの」が、ここのところどうもずれていっているような気がして切ないです。
私が読みたいのは、たとえば「スキップ」の一ノ瀬真理子のような前向きで凛とした生き様だったり、「盤上の敵」のような構成美だったり、「六の宮の姫君」のような徹底した美しい論理だったりするんですが、今回は「ミステリ」を“謎”よりも“不思議”と解釈したものが多かった気がします。
「九つの謎」とタイトルに冠してあるわりに、あまり謎っぽくない短編集でした。

“両手が恋をしている女”というキャラクターはどう受け取ればいいのかしら。難しいです。

最後に収録されていた「新釈おとぎばなし」は、私の好きな北村薫、の世界がちらりと垣間見えて嬉しかったです。「かちかち山」のミステリ解釈北村薫風味。カチカチ、が不動産のことだったとは!(笑)

次は7月頃に長編が出るはず。朝日新聞に掲載されていた「ひとがた流し」ですが、読むのが楽しみなようなこわいような。読みますけどね。


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オンライン書店ビーケーワン:陰日向に咲く

驚きました。本当に。
劇団ひとりの小説が売れている、とか、いい、とか言う話をかなり話半分に聞いていたんですが、読んでみて本当にびっくり。

なんか、普通にほんとにいい小説だったんですけど…!

落ちこぼれのダメ人間ばかりが主人公の短編集。ホームレス志望のサラリーマン、借金地獄のギャンブラー、流されまくりの女の子、アイドルおたく…6つの短編がそれぞれの一人称で語られるんですが、それがまたうまい。もちろん描写の甘い部分もあるんだけど、それを差し引いても面白く読めました。

ダメ人間を観察してネタにしてしまう芸人だからこその視点なのかな。でも、その視点が温かくていい感じ。
それぞれの短編が微妙にリンクしているあたりも私好みでした。

骨太の小説とか斬新な設定とかでは全然ないのだけれど、さらっと読めてじわっと心に残るいい話でした。
次また小説書いてくれるなら是非読みたいです。


オンライン書店ビーケーワン:ママの狙撃銃

なんだか最近銃づいてます。偶然です。私は平和主義者。

萩原浩は、以前読んだ「なかよし小鳩組」「オロロ畑でつかまえて」がわりと好きだったので、本屋で平積みされているのを見かけて久々に読んでみました。

サラリーマンの夫と二人の子供を持った平凡な主婦、曜子。しかしてその正体は、超一流のスナイパー!…という話です。主婦生活の描写も、狙撃シーンの描写も、とてもリアル。3坪のガーデニングについて細やかに描いている次のページでめっちゃハードボイルドに銃を組み立てていたりして、主人公曜子の複雑なキャラクターが身近に感じられるのがすごいと思いました。一読の価値は絶対あると思います。

ただ、表紙を見てコメディーだと思ってたら全然違ったよ!というのが…(笑)

軽い文体に引きずられてどんどん読めてしまいましたが、暗殺者としての曜子の葛藤までもリアルに描かれてしまうのがちょっと辛かったです。気分が凹んでるときには読めないな。



オンライン書店ビーケーワン:図書館戦争

この本と目が合った瞬間、引っ掴んでレジに直行した私の直感を褒めてあげたいです。万歳三唱したいくらいです。ばんざーい!

舞台はパラレル現代日本。「良書」以外を駆逐せんと繰り広げられる超法規的検閲の嵐と、愛する本たちを守るために戦う正義の図書館戦隊の闘争です。
ちょっと前にレビューした「チョコレート・アンダーグラウンド」の本バージョンだと思ってください。

ぶっとんだ設定とハイテンポの展開、リズムのいい会話、すべてがツボでした。体力バカの純情一直線の主人公も、お色気諜報担当(?)の友人も、クマ殺しの教官も、全員素敵。角川電撃文庫で大賞デビューした人だけあって、そういうところはやっぱりライトノベルのノリを失ってなくて良いです。
とにかく、楽しい。読んでいてうはうは笑ってしまいました。ばんざーい。

言論の自由やマスメディア批判など、底辺に流れるテーマは決して軽くないものだと思いますが、それを極上のエンターテイメント小説にまとめたところに作者の巧さを感じました。
有川浩、これから他の既刊も読んでみようと思います。



オンライン書店ビーケーワン:彩雲国物語 はじまりの風は紅く

中華風ファンタジー。これまた人気ティーンズノベルシリーズです。例によって例のごとく、既刊数の多さに腰がひけていた私ですが、お気に入り読書ブログの管理人さんがおすすめしていらしたのでつられ購入いたしました。

好きです!!

いやもう、これ、大好き。程よくコメディーで、芯のしっかりしたファンタジーで、設定が無理していなくて、かついい加減ではなくて、スリリングな展開と個性のたったキャラ、エピソードも伏線もどんでん返しも裏切りもてんこ盛り!

性根のすわった主人公、ある意味無敵の美形男性人、腹黒じじいズ、と、かなりど真ん中ストライクです。ああ、好き好き。
文章もリズムがよくて読みやすくて、がつがつページをめくれてしまいました。あああ、大好き。


昨日のハズレ本のあとだったので、余計に嬉しい出会いでした。読み終えてすぐ本屋に直行して続きを買おうかと本気で思いました。必死の葛藤を経てあきらめましたが。明日絶対買ってやる。




オンライン書店ビーケーワン:マイフェア・フェアリィ

毒を吐きますので、この作品がお気に召した方は読まれないことをおすすめします。



めずらしくこんな注釈など入れてみたのは、ここ数ヶ月味わった事のなかったハズレ感をひしひしと感じているからです。読み終わってこんなにむなしかったのは久しぶりです。

“両親を事故で亡くし、叔母の家で暮らしている御剣ルナ。普段は元気な、普通の高校生だ。ある日偶然見つけた、母の形見のロケットと同じ紋章が刻まれた手鏡。思わず買ったその夜から、ルナに不思議なことが起きはじめる。同じクラスに転入してきた、隣に引っ越してきたばかりの英国人の美形の双子は、ルナを迎えに来たという。かれらがいざなう、妖精の国とは? そしてルナを待つ運命とは―――!?”

というのが、この作品のあらすじ・アオリ文。
そして、この作品の内容はこの数行でほぼ全て言い尽くされています。
びっくりするくらい中身が薄い…!こんなのティーンズノベルでもここ数年お目にかかった事ないです。「妖精の国とは?」「ルナを待つ運命とは?」って書いてありますが、その疑問に対する答えが作品中に出てきません。続き物にするつもりっぽいですが、それにしたってこれはないだろうというぐらいの薄い内容。序章の序章のあらすじ、くらいです。

私の大好きなファンタジーに小野不由美の「十二国記」シリーズがあります。この作品のオープニングと、非常に似通った点がいくつかあります。それはまあいいとして、小野不由美が50ページで語り終えたオープニングを、1冊まるまる使って終わらせられなかったのがこの作品です。なんで本出せたんだろうこれ。

美形と妖精出しときゃファンタジーだ! とか思わないでください。と言いたいです。

会話文だらけで描写が少なく、改行だらけで段落のない文章。(「あっ」とか「わっ」とか「きゃっ!」で一行使うな、いや、使ってもいいけどそればっかり出すな)視点の移動がわかりにくくて、場面転換が描写不足。十数年前のティーンズハートを読んでいる気分でした。

続編は買いません。はい。


オンライン書店ビーケーワン:しにがみのバラッド。 1

ライトノベルの人気作「しにがみのバラッド。」の漫画化作品。
前作「トカゲ王子」が予想以上に良かったので、原作ものを書くと知ってがっかりしていました。ノベライズとか漫画化本とかってほぼ90%原作を超えない(むしろ、かなりつまらなくなる)のであんまり好きじゃないんです。
ノベライズには余計な言葉がありすぎて余韻が台無しな気がしてしまうし、漫画化だと好きなエピソードがぽろぽろ抜け落ちていて物足りないし。

でも、これは好きでした。

実は原作のライトノベルのほうは読んだ事がないので、ちゃんとした評価はできないんですけどね。読んでいて、原作ものなんだなという感じがしなかったというか。きっと抜けてるエピソードはいっぱいあるんだろうけど、無理なく綺麗にまとめていて、ひとつひとつがかわいらしいお話に仕上がっている印象です。

古くさい印象が強かった絵も、少しずつ繊細になってきたこともあってか話に馴染んでいると思いました。

ライトノベル(少女向けのティーンズノベルじゃなくて)の少女漫画化ってめずらしいと思うんですが、これはわりと成功したんじゃないかなと。和泉明日香好きなのでひいき目なのかもしれませんが(笑)

続刊は買うんだろうけど、…その前に原作が読みた…(←完全に出版社の目論みにはまる私)


オンライン書店ビーケーワン:青空の卵

親友はひきこもり。辛辣な毒舌をふるう彼は、本当は子供みたいに純真で、実は名探偵だった…
久々に掘り出してきた新人作家の、「日常の謎」を軸にした初連作短編集。ということで、ものすごくものすごく期待して読みました。
…期待しすぎました。

「謎」自体はまあ、悪くないと思います。登場人物が濃密に絡まっていく、延長ひきこもり社会みたいな関係も嫌いじゃないです。連作短編としてはうまく作ってあるから、作品としていい評価を得るというのもわかる。

ただ、何て言うんでしょうか。
私の心が黒すぎるのが問題なんでしょうか。(笑)

主人公たちの清らかさが我慢ならんのです。
「社会的弱者」に向ける優しい視線、だとか。「社会の矛盾」に傷ついて流す涙とか。主人公の涙に動揺してつられ涙を流す鳥井くんとか。清らかすぎて胸焼けしそうです。ほんとごめんなさい。私性格悪いんだきっと。ちょっとシニカルなくらいが好きなんです。ひねくれ過ぎてるのは嫌いですが。

鳥井の人生論理(社会的通称じゃなくて名前で呼ぶ、とか)にも微妙に疑問を覚えますし、読み終わって「うーむ」と唸ってしまいました。どうとらえていいのかわからなくて。

でもまあ、続編(3部作らしい)は買うかな。たぶんまた胸焼けしそうになるんだろうけど。



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