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名作というのは、いつ読んでも何度読んでも本当に面白いのだなぁ、と改めて実感しました。「不朽の名作」という言葉があるけれど、そう呼ぶにふさわしい作品は、読んでいて幸せになれます。

紹介するまでもないほどの有名作品ですが、日本では「巌窟王」という名で翻案されたのが最初だったため、その後もそちらの題名のほうが知られている模様。
ストーリーは単純です。幸せの絶頂にいた若者が、その幸せを妬んだライバル達に嵌められて投獄され、14年の獄中生活のあと脱獄を果たし、かつて自分を陥れた人達につぎつぎと復讐してゆくというお話。

こうまとめてしまうと陰惨な話のようですが、とんでもない。
王政復古に百日天下、歴史の激動に絡んだ陰謀のあたりはスリル満点、投獄後、神父と出会って脱獄するまではまさに手に汗を握るめくるめく展開で、ページをめくる手がまったくとまりませんでした。
ちなみに、熱中しすぎて降りる駅を乗り過ごしました。

まあ、あれですよ。
人生、カネが全てだというお話ですよ。(違)

最後のほうはお前何様だと思わないでもないですが、細かい会話やら感情の動きの描写やらがものすごく楽しくて、200年前の小説だとはとても思えませんでした。デュマすげぇ。

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オンライン書店ビーケーワン:ボトルネック

大好きな作家、米澤穂信の、青春小説。
青春って楽しいだけものじゃないんだよなそういえば、って思います。読み終わった後、痛くて苦くて、落ち着かないったら。
なので、発売日ゲットでその日のうちに読み終わっていながら、なかなかレビューを書くことができませんでした。
3度読み返して、やっとある程度消化できたかな。

分類するならパラレルワールドもの。気づけば「自分が生まれなかった世界」にいた主人公。世界はそれほど大きく変わっているわけじゃないけれど、「自分」のかわりに、いないはずの人が生きている、それが原因で生まれているいくつもの「小さな違い」。

米澤作品らしく、今回も主人公はとても受け身。でも、「普通」になろうとした小鳩や、「省エネ」をめざす折木とは、まわりとの関わり方が根本的に違います。
「何でもない人」として過ごすことを覚えてしまった主人公。淡々と物事を受け入れてしまうあたりは紺屋に似ていなくもないけれど、世界との距離の取り方がやっぱり紺屋のほうがオトナなんだなぁ。
(無気力受け身の性格ってこんなに種類があったんだ、ってはじめて気づきました(笑))

ラストまでとにかく読ませる作品です。
パラレルワールドにとばされたあとの主人公の行動に全然無理がなくてすごいと思いました。少しずつ、こわごわ、「傷」に手を伸ばしてしまうあたり。SFなのに(だからこそ?)リアリティーがあって、作者の巧さを感じました。

痛い話ではありますが、ヒロイン(?)の明るい性格に救われて、そんなに重い雰囲気にはなっていないです。じわじわと怖くなってきますけど。
最後の一文が痛くて怖くて、効いてます。


自分がいない世界との違い。そんなもん私は絶対知りたくないな。



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